会員ログインはこちら

ログインID

パスワード

パスワードをお忘れの方
  • トップページ

店長ブログ

元・慶應大風俗嬢の「根深い心の闇」②

2018/05/15 22:38

風俗をやめられない本当の理由

地味な白石さんは、どう見ても風俗嬢には見えない。当時の彼氏はもちろん、まだ誰にも風俗のことはバレた経験がないという。
「月25万円程度のまとまったお金をピンサロで稼ぐようになって以来、お金を使うことに興味がでてきたんです。髪の毛が天然パーマなのと、肌が汚いのが昔からのコンプレックスでした。風俗で働けば、髪の毛を矯正したり、美容皮膚科に行くお金が稼げると思った。
デリヘルに行った高校の友達に、サービスの内容とか、衛生面のこととか、給与のこととか聞いたら、“接客の前後にちゃんとお風呂にも入れるし清潔だよって、そんなところで働くよりマシ”って言われて、お金がほしいし、バイト先のピンサロをなんとか辞めてデリヘルに移りました」

コンプレックスだった髪の毛をストレートヘアにし、ギャラのいい高級店の面接を受けたら採用された。しかし、その店ではまったく人気がでなかった。出勤しても客は誰も彼女を選ばず、収入ゼロで帰ることは頻繁だった。すぐに居づらくなって店を辞め、別のロリータ系の店舗に移ったが、そこでも同じような状態が続いた。

やっと稼げるようになったのは、同年代の現役女子大生がたくさん働いている副都心の繁華街を離れ、大塚巣鴨地区に移ってからだ。本番ありの若妻の店に所属したら、たちまち人気嬢になった。
「その店はすごく自分にあっていた。出勤すれば指名されて、常連客もできた。ランキングにも入って嬉しかった。一日で10万円も稼げる日もあって、すごいと思った。体は疲れていても、頭の中でお金の計算をすれば、頑張れる。精神的には頑張れて、でも肉体がついていかない時もありました」
就活が佳境に入ると、面接を終えて風俗店に出勤する毎日が続いた。就活では不採用が続く一方で、夜の世界での人気はぐんぐん上がっていく。
面接で落とされ「慶應大生」というブランド以外は、自分には何の価値もないと追い詰められる。就活に手ごたえのない日々のなかで、風俗嬢としてランキングに入れたことが、久しぶりに自信になった。
「有名企業への就職を諦めたあたりから、風俗嬢として本格的に売れだした。売れれば売れるほど、もう元の自分には戻れないと思った。風俗をきっぱりやめて飲食店のアルバイトに戻って頑張って働いても月7万円、社会人になってもせいぜい20万円しか稼げない。でも風俗だったらたくさんの男性に求められて、1日で10万円も稼ぐ日もある。
それに風俗で稼いだお金を使って、やっとコンプレックスだった肌がキレイになって。もう戻りたくない、やめられないと思った。誰かに求められて稼ぐことは悪くない、そういう思考になりました。だから求めてくれる人がいる限りやめられなくて、今も続けています」

話はここで終わった。
そのまま家に帰るというので喫茶店をでて、新宿駅に戻ることにした。歌舞伎町は絶頂期と比べると、活気が失われていたが、新宿駅周辺は週末を楽しむ人々でごった返していた。
「実は子どもの頃にイジメられていたんです。ずっと日陰だったから。ずっとイジメられっ子で、放課後に友達と遊んだり、一緒に出かけたりそういう経験がなかった。
オーソドックスなイジメはだいたい経験しました。変な噂を流されたり、無視されたり、物を隠されたり。だから小中の友達は誰もいない。
彼氏も就活理由の自然消滅じゃなくて、私が寂しくて1日に何度も電話したり、会いたいってしつこいからフラれたんです。
だからこそ誰かから求められることが今の私は嬉しい。風俗をやめられない一番の理由は、それです」


靖国通りを歩きながらそんなことを語りだした。
地元の同級生が誰もいかない高校を選び、高校3年のときに猛勉強して慶應義塾大学に合格。当時はそれだけが自分を支えるアイディンティティだった。
大学2年の時に、初めての彼氏ができた。しかし恋愛に依存しすぎてフラれ、就活も上手くいかず、副都心の風俗ではまったく売れない。満たされない日々のなかで、自分を求め受け入れてくれたのは、大塚巣鴨地区の本番デリヘルだけだった。
「承認欲求です。今日話しながら、風俗をいつまで続けるの? って自問したけど、やめられない」
白石さんは風俗嬢の名前でツイッターをやっている。覗いてみると会社の愚痴や“辞めたい”といったことが延々に書かれてあった。彼女は今も社会で“求められる”ことはなく、不満と不安を抱え、うまくいっていないようだった。

コメント一覧

  • てすと

    てすと

    2021/07/28 18:01:51

  • テスト

    テストコメント

    2021/01/19 14:07:38

コメント投稿

お名前

コメント

This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.